従来の修学旅行を見直し、社会で通用するスキルを学ぶ場として設けられた「ツアー企画取材旅行」。独自のツアー企画を考えるというミッションのもと、千代田区立麹町中学校の3年生は京都・奈良の観光スポットを訪ね歩き、世界に1冊しかない旅行パンフレットを作った。SNSからトレンドを感じ取って企画を立て、慣れた手つきでパワーポイントの資料を作り、それぞれの得意領域を生かして準備を進め、観衆を楽しませるプレゼンテーションで企画の魅力を伝える。中学生離れした力を発揮する生徒たちは、どのような学びを得て成長しているのだろうか。

 

SNSガチ勢の外国人を「#和映え」で惹きつける

「私たちが今回提案するコンセプトは『和映え』です」

 2018年10月に行われた麹町中学校の「ツアー企画取材旅行発表会」。生徒たちが次々とプレゼンテーションを行う演壇には、この日、全24チームの中から最優秀賞であるプレゼン大賞に選ばれた5人が立っていた。パワーポイントで制作されたスライドに映し出されるのは、自分たちで京都・奈良を巡り、撮り貯めた数々の写真。そしてその体験をもとに構成した「1泊2日の旅行企画」だ。

「日本を訪れる外国人旅行客の数は年々増え続け、ここ数年は特に急増しています。彼らはインスタグラムやフェイスブック、ツイッターなどのSNSを活用して、日本での思い出を写真で共有します。そこで私たちは、外国人が『#和映え』というハッシュタグ(※1)でSNSにアップしたくなるようなスポットを巡る旅行プランを提案します」

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