成田山新勝寺の火渡り修行に参加する人たち(筆者撮影、以下同)

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 やらなければならないと分かっているのだが、思い切って一歩踏み出せない。そういう人は少なくないはずだ。だからこそ、「最初の一歩」を踏みだすことをテーマにした自己啓発書は、昔から根強い人気があるのだろう。もちろん、本を読んだからといって、すぐに行動に移せるとは限らないのであるが・・。

 かくいう私もそうだ。いくつになっても、最初の一歩を踏み出すのは、正直なところ容易なことではない。なぜなら、最初の一歩を踏み出す対象は、自分にとっては常に「初体験」であるからだ。逆にいえば、初体験だからこそ、最初の一歩となるわけである。2回目以降はもはや初体験とはいえない。

 仕事に限らず、それ以外の世界であっても、「初体験」というものは、想像していた内容と実際の体験とのあいだにギャップがあるものだ。終わってしまえば、「なあんだ、そんなことだったか」と思ってしまうような内容であっても、体験するまえは期待と不安が交錯するものだ。やってみたい、やらなくてはならない、だが本当のことを言うと、できればやりたくない。こういった心理的なゆらぎは、初体験ならではのものだ。

「ベジタリアン」から始まった「食」に関する一連のコラム記事だが、前々回で「断食修行」について取り上げ、前回では「山伏体験修行」について取り上げているうちに、「食」というよりも「修行」がテーマの中心に移行してしまったようだ。

(前々回)「苦しいのは最初だけ、3泊4日の『断食修行』体験記」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54425
(前回)「山伏になって『死からの再生』を体験してみよう」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54560

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