今回は、解雇や退職強要、パワハラやセクハラなどの労働問題や自殺(自死)などを専門に扱う弁護士の和泉貴士さんに取材を試みた。和泉さんは「まちだ・さがみ総合法律事務所」(東京都町田市)に勤務し、日本労働弁護団や自由法曹団などに所属している。

 多くの会社員から受ける相談から和泉さんが感じ取った「使えない上司・使えない部下」とは…。

(MatiasEnElMundo/Gettyimages)

バーチャルな空間だから、
パワハラが際限なくエスカレートする

弁護士の和泉貴士さん

 

 私が受ける法律相談の中で労働事件に関するものでは、最近はLINE(ライン)によるパワハラが増えています。ある中小企業では、社長と社員たちがLINEで1つのグループをつくっていました。社長はふだんは営業などで職場にいないことが多く、夜になると、LINEを通じて社員たちに仕事の指示や命令をします。社員は、それにできるだけ早く答えなければいけないのです。

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