子育てに悩みはつきもの。また、子育てに忙しい時期は、一般的に親たちが仕事上のキャリアを築く時期とも重なりやすい。こういった時期に、もし親のどちらかが大病を患ったら……。『子どもを持つ親が病気になった時に読む本』(ポーラ・ラウフ、アンナ・ミュリエル著/創元社)は、このような親たちの不安や疑問に応える一冊だ。また、闘病する親たちの周辺にいる人にとっても、意味があるだろう。邦訳版の必要を感じ、自ら出版社に出版を提案したという、慶應義塾大学医学部の藤澤大介さんに話を聞いた。藤澤さんは精神科医として、体の病気を持つ患者の心のケアに取り組んでいる。
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文部科学省は国立大学法人の業績主義を強化し、2019年度から新規採用する教員に年俸制を導入する方針を決めた。この秋にも人事制度についてのガイドラインを発表するが、これに対しては大学教師から「競争原理は学問にふさわしくない」という反発が強い。
その気持ちはわかる。ここ20年、文科省のやってきた大学改革は「大学院重点化」で学歴のインフレを招き、それが失敗すると定員を減らして予算を絞ったため、研究者の「非正規化」が進み、大量の「高学歴フリーター」が発生した。大学は文科省のくるくる変わる大学行政に振り回されてきたが、根本的な問題は大学にある。
日本の大学の生産性は主要国で最低
日本の大学の生産性が低いのは、今に始まったことではない。客観的な指標として引用数の上位10%のシェアでみると、次の図のように日本はほとんどの分野で主要国の最低である(科学技術振興機構調べ)。
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