麹町中学校の行事には、生徒たちだけで企画・運営されているものが多い。今年度実施された「体育祭」もその一つだ。「社会に出たら、何もかも指示されるなんてことはない。だから自分たちで考え、実行する力を身につけてほしい」。生徒たちにそう語った校長・工藤勇一氏は、体育祭に向けて一つの大きな目的だけを共有し、あとはすべてを委ねたという。そのメッセージを生徒たちはどのように受け止め、行動したのか。率直な気持ちを聞かせてもらった。

千代田区立麹町中学校の体育祭

先生や親への忖度は一切なし

 薄曇りに日が差し込み、絶好の運動日和となった5月下旬の土曜日。麹町中学校のグラウンドで開催された体育祭には多くの保護者が観覧に訪れていた。

 開会式では校長の工藤氏が立ち会い、選手宣誓が行われる。生徒会長のあいさつに続いて、全校生徒を二分する東軍・西軍それぞれの応援団がエール交換を実施。いずれも学ランを身にまとい、エールや振り付けは「いかにも応援団」といった風情の昔ながらのスタイルだ。

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