グーグル傘下のウェイモ(Waymo)は、米アリゾナ州フェニックスで、「early rider program」と呼ばれる無人タクシーの走行試験を続けている。プログラムに登録した世帯の住民は、日常的に無人タクシーを利用することができる。今年3月からは、万が一に備えたセーフティドライバーが搭乗しない、完全な無人タクシーが運行している。

 グーグルは2009年から自動運転車の開発プロジェクトをスタートさせたが、2016年に中断してソフトウェアの開発に特化したウェイモを分社化した。そして、ウェイモは、無人タクシーの会社になろうとしている。

 3月に走行試験中のウーバーの自動運転車が起こした歩行者死亡事故で、完全な自動運転への疑問の声も大きくなってはいるが、実現すれば、無人タクシーが世界の経済に与える影響は計り知れない。

(wildpixel/iStock)

なぜ「無人タクシー」なのか?

 日本のタクシードライバーの給与の大部分は、売上げの50%から60%の歩合制になっており変動費に分類される。そのため、変動費を削減してタクシー1台当たりの限界利益率(限界利益/売上)を向上させることは難しく、利益を増やすためには車両数を増やさなければならない。無人タクシーは、その変動費を大幅に削減することができる。

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