日本ではかなり前から「おひとりさま」ビジネスが盛んだが、中国でも「1人カラオケ」が静かに流行中だ。正確には2~3人まで利用できる小さな無人カラオケボックスのことだが、「気軽にいつでも楽しめる」として人気を集め、都市部を中心に急速に普及しつつある。

ショッピングセンター内にある無人カラオケボックス

もちろんスマホ決済が前提

 「こうやってヘッドホンをつけて歌うんですよ~。私はときどき友だちと2人で来ています」

 こう語るのは天津在住の20代の女性だ。天津のショッピングセンターを一緒に歩いていたとき、偶然見かけたカラオケボックスに目を留め、私が写真を撮ろうとしていたのを見て、親切に“店内”に案内してくれた。

 店内といっても、面積はわずか2平方メートルほどしかない。電話ボックス2つ分くらいの広さで身動きできないほどだが、カラオケ、モニターのほか、椅子、ヘッドホン、マイクが2つずつ設置されていて、立派なカラオケボックスになっている。外側はガラス張りになっていて、中は丸見え。通りすがりの人からもよく見えるが、「全然問題ないですよ」と彼女は笑う。内側にはカーテンもあり、閉めることもできるが、ガラス張りだと解放感があり、狭さを感じないせいか、どのカラオケボックスもほぼそのまま使用している人が多いようだ。監視カメラもばっちりついているので、セキュリティ的にも問題ない。

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