2022年5月22日、英国ハダーズフィールドで行われたサッカー試合。マスクを着けている観客は皆無(写真:ロイター/アフロ)

(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 いま欧米では、コロナの感染状況が好転しつつあることもあって、屋外でのマスク着用義務を解除している国が増えている。欧米で行われているメジャーリーグやサッカーの試合、テニスの大会などを見ていると、観客は密も密、満員の状況で、見るかぎりマスクを着用していない率は100%である。

 いつもなら世界の情勢を見て追随するのが常の日本だが、こればかりはそうもいかないようである。5月10日、東京都医師会の尾崎治夫会長が「マスクをどうするのか、話が出ている。屋外で換気の良い場所は、それほど感染リスクはない。屋外では着用の見直しをしていってもいいのではないか」と語った。これでも各界に遠慮があるのか、「見直してもいいのではないか」という言い方にとどめている。「もうしなくても大丈夫ですよ」といえないのである。

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