昨年11月、北京で開かれた「一帯一路」建設座談会で演説する習近平主席(写真:新華社/アフロ)

(塚田俊三:立命館アジア太平洋大学客員教授)

 いま世界には、並外れて強大な権限を有する二人の国家指導者がいる。一人は西洋に、もう一人は東洋にいるが、両者に共通するのは、いずれも壮大な夢を持っていることだ。前者はかつての帝国の、後者はかつての民族の再興を追求している。

 ただ似たような夢でも、その実現の手法は両者の間で大きく異なる。前者は、その腕力にものを言わせ、降伏を迫り、従わなければ撃つとするものであり、もう一つは、深く、静かに潜航し、時が来れば立ち上がるとする“トロイの木馬”方式である。

>>続きを読む