韓国大統領選挙で保守派の尹錫悦(ユン・ソギョル)候補が勝利したことにより、5月10日から尹錫悦政権が出帆する。5年ぶりの保守政権誕生を日本の政界やメディアは好意的に受け止めており、尹錫悦氏が当選後の記者会見で日韓関係について、「過去より未来をどのようにするかが両国の利益だ」と述べたことから、同氏が日韓関係を大きく改善すると期待する論調が出てきている。

 だが、筆者は尹錫悦政権が必ずしも日韓関係を改善できるとは思っていない。同氏が韓国の民族的アイデンティティを重視する保守派に推されて当選したが故に、韓国の構造的ともいえる〝反日〟の世論に抗することは困難であると考える。むしろ、未来思考の日韓関係を掲げたことは、同氏のアキレス腱ともなりえるだろう。

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