ロシアによる侵攻を受けたウクライナ情勢が、地球のほぼ裏側にある遠く離れた台湾を大きく揺さぶっている。

 23年前『歴史の終わり』という論文で自由主義勢力の勝利を宣言した米政治学者フランシス・フクヤマが、ロシアのウクライナ攻撃が始まった直後の2月26日、台湾の大学が開催したオンライン講演で力を込めて語った。

 「ロシアのウクライナ侵略はリベラルな国際秩序に対する外部からの脅威であり、全世界の民主政治体制は一致団結して対抗しないとならない。なぜならこれは(民主体制)全体に対する攻撃だからだ」

蔡英文総統は米国のマレン元米軍統合参謀本部議長ら会談するなど、ウクライナ情勢に対して動きを見せている(Taiwan Presidential Office/AP/アフロ)

 『歴史の終わり』(三笠書房)は、グローバリズムの影響のもと、世界は民主化と市場化に向かい、歴史の変化は終着点に達する、と論じたものだ。

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