中国の青島海水稲研究開発センターでは厳しい環境でも生育する塩・アルカリ耐性稲の開発が進められている。写真は2017年9月撮影のもの(写真:アフロ)

 習近平主席の肝煎りで、9月2日から7日まで「中国国際サービス貿易交易会」が、北京で開かれた。昨年年初から続くコロナ禍で、製造業に較べて回復が遅れているサービス業をV字回復させる「起爆剤」にしようと、首都で開いた国家プロジェクトだった。

中国の政権幹部が突如連呼しだした「食糧安全保障」

 その中で、普段は目立たない、ある習近平政権幹部のスピーチが、関係者の間で話題になった。5日に会場で行われた「2021年食糧現代サプライチェーン発展及び投資国際フォーラム」で、中国国家食糧・物資備蓄局の張務鋒(ちょう・むほう)局長が行ったスピーチだ。

 張局長は、こう述べた。

「中国は国家の食糧安全保障を、国家の大事、それも一丁目一番地としている。中国は、全世界の9%の耕地、6%の淡水資源での生産食糧でもって、世界の20%近い人口を支えていかねばならないのだ。

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