米英にハシゴを外される日本主導「クアッド」の悲哀
日本を100%信用できないバイデン政権のインド・太平洋戦略
ギャラリーページへ
バイデン大統領は3月26日のデラウェア州における記者会見で、英国のジョンソン首相と電話会談を実施し、中国の「一帯一路」政策に対抗すべく、民主主義国家で広域経済圏イニシアチブを構築することを提案したと語った。英ジョンソン政権は、これを完全に肯定してはいないものの、中国への対抗策について話し合ったことについては認めており、どうやら英米を中心とした国際戦略の構想づくりが始まるらしい。
しかし、この報道に「えっ?」と疑問に感じた読者も少なくないのではないだろうか。中国の一帯一路政策への対応としては日本の提唱で始まった日米豪印戦略対話(通称、Quad:クアッド)があり、これに英国も参加するというのがこれまでの認識だったはずだからだ。
当然、日本にもこの話は駐米大使館を通じて事前に連絡が来ていただろうが、この構想が米国のインド・太平洋戦略の中心になるとすると、日本は主導的役割から単なるメンバーの一国になってしまう。これをどう受け止めるべきなのだろうか。