インド・ムンバイで行われた中国のウイグル政策に対する抗議デモ(2020年12月10日、写真:Abaca/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 カナダ下院が2月22日、新疆ウイグル自治区で継続している民族迫害をジェノサイド(民族大量虐殺)と認定する動議を可決した。法的な拘束力こそないが、この結果は比較的親中派のトルドー大統領の今後の言動に大きく影響を与えるだろう。

 ウイグル問題に「ジェノサイド」という言葉を使い始めたのは、おそらく共産主義犠牲者記念財団・中国研究上級フェローのドイツ学者、エイドリアン・ゼンツだった。今年(2021年)1月19日には、米トランプ政権のポンペオ国務長官が初めて米政権を代表してウイグル弾圧をジェノサイド、反人類的犯罪と認定した。その後を継いだバイデン政権のブリンケン国務長官も同様の立場を唱えた。

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