マレーシア政府は、8月31日を期限とするコロナ回復期活動制限令(RMCO=Recovery Movement Control Order)の12月31日までの延長を発表した。厳しいロックダウン(参照:『マレーシアの「本物ロックダウン」現場から見た日本』)を経て一応国内における感染の拡大を抑え込んだ。8月下旬現在、毎日の新規感染確認件数は1桁を中心に一進一退し、概ね安定している。

 一方、深刻なダメージを受けた観光業や外食業、小売業は依然として厳しい状況にある(参照:『マレーシア版「GoToトラベル」、現場で何が起きているのか?』)(『マレーシア版「GoTo外食」、常識を覆す飲食店の繁盛ぶり』)。国境の街ランタウ・パンジャンを取材してみた。

ゴーストタウン化した国境の街

 8月15日午前、マレー半島東海岸最北の主要都市コタバルから車でタイ国境を目指して北上する。国境の街ランタウ・パンジャン(Rantau Panjang)までは30km。1時間弱のドライブでマレーシアとタイの国境に到着。

閉鎖中のランタウ・パンジャンのマレーシア・タイ国境(筆者撮影)

 前日、ホテルのコンシェルジュにランタウ・パンジャンへの行き方や現地の状況を確認すると、「タイへは行けませんよ。国境は閉鎖中で通過できませんし、国境地帯の店もほとんど閉まっているから、何をしに行くんですか」と不審に思われたらしい。ランタウ・パンジャンの観光にいく観光客は誰もいないようだ。

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