熱心なトランプ支持者(AP/AFLO)

 米大統領選が近づくにつれ、コロナ禍の影響で11月3日の投票日当日に勝敗が確定せず、最終決着の大幅遅れ、法廷闘争といった“惨事disaster”になりうるとして、真剣に懸念する声が広がりつつある。

 去る6月12日、米大統領選の選挙プロ、政府経験者、学者、軍人など超党派の有識者約120人が秘密裏にオンラインで集合してある重大な「シミュレーション検討会議」が開催された。目的は、11月3日の米大統領選が、予測不可能で破天荒なトランプ大統領の個人行動、コロナ禍などの影響による開票作業の大幅遅れ、郵便投票結果の取り扱いなどで起こり得る大混乱のシナリオについて率直に意見を交換し合い、善後策を話し合うためだった。

 ボストン・グローブ紙(7月26日付)などが特報で報じたもので、非公開の会合では、参加者から次のような憂慮すべきシナリオが列挙された:

1.接戦州開票の1週間以上の遅延のケース

 勝敗の決め手となるノースカロライナ、ミシガン、フロリダ3州の投票所開票でトランプ氏がわずかながらリードしつつも、最終集計が11月3日までに終了せず、双方接戦状態が1週間以上続く。この間、「郵便投票」「不在者投票」の開票ではバイデン候補の得票数が増え始め傾勢が逆転する(民主党シンボルカラーであるブルーにちなみ“ブルーシフト”と呼ばれる)。

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