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イラク抗議デモでひびが入るイランとの関係

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 10月初めからイラクで始まった反政府デモは、同月中旬にいったん鎮静化の兆しを見せたが、アブドルマハディ首相の就任1年にあたる10月25日に再び激化、政府の暴力的な鎮圧などにより、これまでに300人を超える死者と1万5000人以上の負傷者を出す事態となっている。

(Trifonov_Evgeniy/curtoicurto/Oleksii Liskonih/iStock / Getty Images Plus)

 イラクの抗議デモの当初の主要な標的は、イラク政府の腐敗、電気、水といった公共サービスを提供できない政府の無能さであったが、同時に反イランの要素もあった。デモの発端の一つは国民的英雄であったサアディ将軍の左遷に対する抗議で、左遷の背景にイラン系の国民動員軍がいたということで、イランの干渉に対する憤りが高まった。

 ここにきて抗議はイラン批判の色彩を強めている。一つには、イランを支援するシーア派民兵組織がデモ隊に暴力を振るったのがイラン批判を強めたと指摘されている。またイラン政府やイランのクッズ部隊の司令官がイラク政府に抗議を厳しく弾圧するよう要請し、イラク人が強く反発したこともあった。さらにシーア派の最高指導者の一人アリ・シスタニ師がイランによるイラク介入に反対の意を表明した。穏健派として知られるアリ・シスタニ師がイランを批判したことは、イラク国民の間での反イラン感情が如何に根深いかを示している。

 

 

 

 


タグ:中近東
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