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実取 義洋 農家 理想と現実の間で持続可能な農業を続ける [2)産業・技術]

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本記事掲載のWedge5月号『創刊30周年記念インタビュー「新時代に挑む30人」』では、「ホンダジェット」の生みの親・藤野道格氏ラグビー日本代表・リーチ・マイケル氏USJ復活の立役者でマーケターの森岡毅氏大峯千日回峰行を満行した大阿闍梨・塩沼亮潤氏など様々な分野で令和の時代を牽引していく30人にインタビューを行いました。

「自然農法」という理想を持って、条件の厳しい山間部で就農した青年。10年の歳月をかけて経営として成り立つ農業を確立した。 

実取 義洋(みとり・よしひろ):1980年生まれ。父親が営む養豚業を手伝うかたわら、環境保護活動に取り組む。その後、思い立って就農。自然農法によって、在来種のコメの生産に取り組むほか、水田ごぼうの生産にも力を入れ始めた。
(写真・生津勝隆)

 

 「30年後、私は68歳。父の今の年齢になります。その時まで、山間地に人が住み、山林も農地もあり、きれいだと言ってもらえる風景が残せるかどうか」

 実取義洋が子どもの頃住んでいた熊本県菊池市の山間部に戻り、農業を始めて10年近くになる。農薬だけでなく肥料も使わない「自然農法」でコメを作る。イノシシが出て全滅した年もあるなど苦労の連続だったが、「自然」にこだわり続けた。

 父は養豚業を営む。「命」を頂いあて大きくなったことに「疼(うず)き」のようなものを感じてきた。狭い豚舎でストレスをため、病気が出るのを抑えるために、抗生物質を与える。まるで人間社会の縮図ではないか。

 自然農法という農業の常識からすれば無謀な取り組みに、周囲の農家は温かい目を向けた。菊池には40年以上前から自然農法に挑戦する先輩たちがいた。

 「皆が安全で安心な物をお腹いっぱい食べて笑顔になるために努力をしてきた。先輩たちの思いが息づいている」。そんな伝統をどう次世代につないでいくか。

 

 

 

 


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