香港政府はついに「緊急状況規則条例(緊急法)」を発動し、デモ参加者のマスク着用を禁じる「覆面禁止法」を制定した。香港市民がすぐに反発の姿勢を見せ、抗議に乗り出した。香港の混迷は深まる一方だ。政府が何をやってももうダメ。市民側は「5大訴求(5つの要求)」の完全受け入れを頑なに求めている。「イエス」か「ノー」の回答を求めている以上、もはや交渉の余地はない。
中国が果たして香港を必要としているのか?
2カ月前(8月中旬)に執筆した拙稿『香港問題の本質とは?金融センターが国際政治の「捨て駒」になる道』には「捨て駒」という言葉を使った。それがいよいよ現実になりつつある。これは香港の宿命なのか。
「中国が果たして香港を必要としているのか?」
――関心をもたれるのは香港の「主」である中国の利害関係と立場だ。「中国が香港を必要としているか?」。この命題に出てくる「中国」とは誰のことか。主体をはっかりしないと、議論もままにならない。「香港が中国を必要とするか?」という反対方向の命題も然り。
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