共働き世帯が増えてきた。総務省の労働力調査によると、20歳から69歳の女性の「就業率」は70%を超え、10年前と比較しても1割以上上昇している。企業の働き方改革が進んだことで育児休職や時短勤務などの制度が充実し、子育てを理由に退職を余儀なくされる場面は少なくなった。

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 育児に関する諸制度が拡充しつつある中で、「あまりに長い育児休職はむしろ逆効果になる」と『「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』(光文社新書)を上梓した東京大学経済学部の山口慎太郎准教授は指摘する。同書は、うわさや伝聞による『子育て神話』を経済学の観点から明快に解説するとともに、データに基づく新たな知見を与える今話題の一冊だ。著者であり、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」を専門とする山口准教授に仕事と育児の両立をテーマにインタビューした。

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