イタリアでは「五つ星運動」と「同盟」という左右のポピュリズム政党が連立を組んでいたが、「同盟」が早期総選挙をもくろんで、8月上旬に五つ星との連立解消を主張して内閣不信任案を提出し、「同盟」と五つ星運動の連立政権は崩壊した。いずれにも属さない学者出身のコンテ首相は辞表を提出していた。

(vidalidali/iStock / Getty Images Plus)

 

 ところが、「同盟」の目論見通り早期総選挙とはならず、五つ星運動と民主党との間で新たな連立政権を作る作業が進み、8月29日にセルジョ・ マッタレッラ大統領はコンテに組閣を要請、9月5日に五つ星運動と民主党の連立政権が正式に成立した。過去73年で67番目の政権となる。こういう展開、ましてやコンテが再登板しようとは、全く予想外の結果である。抜き打ち選挙を仕掛けたサルヴィーニ(「同盟」代表。前政権では副首相兼内相)は一敗地にまみれたが、両党が連立を組む可能性は計算に入っていなかったに違いない。

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