学校は「Student First」(学習者本位)であるべき。そんな信念を掲げる北澤嘉孝校長のもと、長野市立東部中学校ではさまざまな改革が進められている。2019年度からは学年担任制(全員担任制)が敷かれ、家庭学習の見直しも始まった。そして校内では、2年生を中心として、生徒が主体的に学校作りに取り組む新たな動きも。「地方都市の普通の公立中学」である東部中学校で何が起きているのか、教員や生徒の話を聞いた。(⇒前編から読む

 

きっかけは校長の「突き抜けたアイデア」

 2年生の校舎を歩くと、「和学(なごがく)」や「本気学(マジがく)」と書かれた掲示物が目に飛び込んでくる。いずれも放課後に生徒が自習するためのスペースとして、空き教室を利用して作られたものだ。ただし、2つの教室の雰囲気は大きく異なる。

 みんなで集まって和気あいあいと相談しながら勉強する場所が「和学(なごがく)」。対して「本気学(マジがく)」では私語が飛び交うことはなく、一人ひとりの生徒が静かに、真剣な面持ちで自習する。

 目的が違うから、2つの教室では机のレイアウトも異なる。和学では机を囲んで座れるようにしているが、本気学では壁際や窓際に机を置いて生徒同士の目線が合うことはない。

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