「500万円払わないと日本へ帰さない」といういきなりの通達?

 これは実際に今インドにおいて少なくない外国人の身に起きていることだ。

 外国人がいつものようにインドでの出張を終えて、開放感に包まれながら母国へ向かう便に乗ろうとインドの空港のイミグレーションカウンターに行くと、こう聞かれるのだ。

  「お前はインドで納税したのか」と。

 身に覚えがないその人は「???」と不思議な顔をするだけなのだが、係官はこう続ける。

 「お前は去年インドに182日以上いるじゃないか。納税しているのだったら確定申告書を見せろ。出せないのだったら出国させるわけにはいかない!」

インド・チェンナイ空港(undefined undefined/gettyimages)

 

 この連載で何度もお伝えしているように、ここ数年でインドのあらゆる分野でのコンプライアンスは格段に厳しくなっている。そして、民主主義国家でありかつ超格差社会であるインドでは「お金持ちからたくさん税金をとります」「お金持ちには厳しくします」という方向の政策は支持されやすい。物価水準の差もあいまって、こちらに来れば軒並み「お金持ち」のカテゴリーに入れられてしまう外国人だとそれはなおさらだ。

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