中国共産党にとって台湾問題は「核心的利益」の筆頭であり、常に統一戦線工作の最重点の対象である。中国共産党は、台湾メディアへの浸透をはじめとして、台湾社会の中にその影響力を拡大しようとしている。

(BackyardProduction/iStock / Getty Images Plus)

 

 中国による台湾メディアへの浸透工作については、最近、ロイター通信がこれまでになく具体的な内容の記事を配信している。8月9日付けの‘Paid 'news': China using Taiwan media to win hearts and minds on island - sources’と題する記事で、ロイター台北特派員のYimou Leeらが書いたものである。Leeらは、台湾のメディア関係者等へのインタビューを基に、以下のような点を指摘する。

・国務院台湾事務弁公室は、台湾のビジネスマンを大陸に引き付ける努力に関する2つの主要な記事に3万元(4300ドル)を支払った。

・国務院台湾事務弁公室以外の中国政府機関も記事を発注している。資金のほとんどは国務院台湾事務弁公室経由で支払われたが、中国全国の市町村政府、地方政府も資金提供している

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