- » close
- 印刷する
野嶋剛が読み解くアジア最新事情
香港に広がる「白色テロ」懸念、「殲滅戦」へカジ切る香港政府
2019/09/03
野嶋 剛 (ジャーナリスト)
6月から始まった香港の逃亡犯条例改正への反対運動が、どうやら新たな局面に差し掛かったようだ。香港政府が反対派勢力に対する対応方針を「消耗戦」から「殲滅戦」に切り替えたように見えるからだ。
そのことが明らかになったのが、8月30日を中心に展開された反対派の中心人物の一斉摘発だった。
政党「デモシスト」に所属し、雨傘運動で活躍したジョシュア・ウォン(黄之峰)さんやアグネス・チョウ(周庭)さんら日本でも知名度のあるリーダー格の人物が、同じ日に香港各地で一斉に逮捕された。
香港を覆う「白色恐怖(テロ)」の陰
香港では、いま「白色恐怖(テロ)」という言葉が広く語られている。白色テロは、当局が反対者に対して暴力や法律を使って弾圧を行うことを指す。