ロシアのG7サミット(主要国首脳会議)への復帰がまたぞろ取りざたされはじめた。先週末、フランス・ビアリッツで開かれた首脳会合で、この問題が協議された。トランプ大統領が積極姿勢を見せたのに対し、欧州各国首脳が「時期尚早」として反対、議長のマクロン仏大統領は決定を見送った。

 ロシアがサミットを追放されたのは、ウクライナ・クリミア共和国を武力を背景に併合したことだった。 「力」によって北方領土をロシアに奪われた日本も、ウクライナと同様の状況に置かれているだけに、原則論ではロシア復帰に容易に賛成できない。

 ロシア自身は自らの復帰に否定的な見解を表明しているが、安倍首相が、賛成、反対いずれを決断するにしても、プーチン、トランプ両大統領との良好な係を維持したい思惑の一方、欧州各国の反対という板挟みにあって、苦しい判断を迫られそうだ。

(bopav/gettyimages)

「時期尚早」が大勢

 議長をつとめたマクロン仏大統領はサミット終了後の26日、この問題について、「新しいメンバーの出席は参加国が決めることで、全会一致でなければならない」と述べ、「クリミア問題が解決されれば復帰が実現する」と強調した。

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