(cozyta/gettyimages)

 

 6月以来、身柄を拘束された容疑者の中国本土引き渡しが可能になるという「逃亡犯条例」の改定問題を巡って、香港の混乱は止みそうにない。

 総人口の4人に1人に近い200余万人が街頭で反対の声を上げるなど香港史上空前の盛り上がりをみせる中、1997年7月1日の返還(中国では「香港の中国回帰」とする)から22回目を迎えた記念の日を狙ったかのように、反対派は議会(立法会)の建物に突入し議場を占拠・破壊する一方、警察部隊と激しい市街戦を展開した。例年の祝賀とは違う大混乱こそ、返還から22年目の香港が抱えた現実であり、習近平政権にとっては“不都合な真実”だろう。

 反対デモは香港島からヴィクトリア港を越えて対岸の九龍へ。反中ムードを高めながら新界の沙田へと、一歩一歩と中国本土に向かって進んでいる模様だ。この勢いが香港と接する経済特区の深圳、さらには東莞に飛び火するだろうか。

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