(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年5月30日付)

フィアット、ルノーに経営統合を提案 世界3位の自動車メーカー誕生か

欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズのロゴ(左、2017年1月12日撮影)と仏自動車大手ルノーのロゴ(2016年1月15日撮影、いずれも資料写真)。(c)MARCO BERTORELLO and LOIC VENANCE / AFP〔AFPBB News

 フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が5月末提案したルノーとの経営統合には、過去のつらい記憶を呼び覚ます要素がある。

 両社の時価総額の合計は330億ユーロで、名目ベースで見るなら、自動車業界史上最悪の合併失敗とほぼ同じ規模なのだ。

 1998年の370億ドル規模のダイムラーとクライスラーの統合がそれだ。

 多くの企業合併と同様に、ダイムラー・クライスラーも期待が経験に勝利した結果実行され、その1年後にはあのカルロス・ゴーン氏の率いるルノーと日産自動車のアライアンスが実現した。

 ダイムラー・クライスラーの合併は2007年に解消され、誰もがほっと胸をなで下ろした。

 そしてゴーン氏は、特別背任罪などの容疑により日本で起訴され、日産幹部の「陰謀と裏切り」を非難している。

 それでも自動車会社が結婚を切望する理由は、FCAが故セルジオ・マルキオーネ氏のもとで成功を収めたことと、各社がまさに死に物狂いになっていることの両方に求められる。

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