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終着駅に近付いた李嘉誠の「中国撤退」

 李嘉誠氏の中国撤退は終盤に差し掛かったと、4月2日付けの拙稿「香港大富豪の『中国撤退』がついに終盤戦へ、経営の王者・李嘉誠氏の脱出録」で詳述したが、ついに、その終盤のまた終着駅に近付いた。

 5月15日付けのブルームバーグは消息筋の情報を引用し、李氏は上海にある200億人民元規模の大型物件を売却すると報じた。

 報道によると、売却対象となる「高尚領域」は、上海市普陀区の中心部に位置する延べ面積120万平米に上る大規模複合開発プロジェクト。官庁や高級住宅、商業施設、高級ホテルを併設するランドマーク的な存在であり、また李氏傘下の長江和記実業(CKハチソンホールディングス)が上海で所有する最後の大型開発プロジェクトでもある。

 李嘉誠氏の中国資産(香港を含む)はすでに総額ベースで1割にまで縮小し、その売却資金のほとんどが欧州等の投資に流れたという。李氏は過去6年にわたって段階的に撤退し、中国からフェードアウトした。現在はいわゆる最終段階の「後片付け」に入っている。

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