広島の原爆ドーム

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 毎年この季節になると、広島と長崎の犠牲者を慰霊して、原爆投下を「人類の悲劇」として語る式典が行われるが、彼らは何を祈っているのだろうか。それが悲劇だったことは間違いないが、「人類」が原爆を投下することはできない。投下したのは米軍の爆撃機であり、民間人に対する無差別爆撃は国際法違反である。

 しかしアメリカ政府がその責任を認めたことはなく、もちろん謝罪したこともない。日本政府も、原爆投下の責任にはまったく言及しない。NHKが毎年放送する原爆の特集番組でもアメリカの責任は追及しない。こういう思考停止は、そろそろやめてはどうだろうか。

原爆投下はポツダム宣言の前に決まった

 この不自然な歴史解釈を生んだのは占領統治である。占領軍が原爆を正当化するのは当然で、日本政府もそれに従うしかなかった。占領軍が検閲していた時代には、マスコミも「悪いのは原爆投下ではなく戦争を起こした日本だ」と報道するしかなかったが、占領統治が終わったあとも、そういう自己欺瞞が身についてしまった。

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