(2017.2.25~4.26 61日間 総費用13万2000円〈航空券含む〉)

 3月17日。ブッダガヤの郊外にあるスジャータ村にオートリキショー(電動三輪車)をチャーターして出かけた。スジャータ村には、お釈迦様が山で厳しい修行をして村に下りてきた時に、村人がお釈迦様に滋養のあるものを食べてもらおうとミルク粥(現地語でスジャータ)を出したという伝承がある。

スジャータ村のお堂。お釈迦様とミルク粥を捧げる少女。その前に牛が横たわっている

 お釈迦様の故事を物語るお寺の境内で子供たちを教えているオジサンの先生から寄付を強要され、お寺をゆっくり見ようとすれば金目当ての押しかけのガイドが勝手に喋りだし、最後には大勢の子どもに包囲され、ほうほうのていで帰ろうと電動自動車に飛び乗った。ドライバーに早く出発するよう指示したが、間一髪で小学校低学年くらいと思われる少女が荷台にしがみついた。

 「ハロー、ミスター、マネー」を連呼しながら、車が走り出しても必死の形相で荷台しがみついて走っている。ホラー映画で髪の毛を振り乱した少女が走り去ろうとしている男の足にしがみついていた場面を思い出した。

 正直なところ憐憫の情は心の中にまったく湧いてこず、不気味な魔物を振り払いたいという思いだけであった

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