アメリカに次ぐ規模のベンチャー市場を持つ中国。人口の1割が起業家とまで言われる事態はどうもたらされ、今後どうなっていくのか。五つのキーワードから読み解く。

1.豊富な資金

 なぜ中国でベンチャーがこれほど多く、しかもユニコーン企業(非上場で時価総額が10億ドル以上)が米国に次いで多いのか。人口の多さももちろん理由の一つだが、ベンチャー市場に出回っている潤沢な資金が事業拡大の推進力になっている面も見逃せない。

自転車シェアリングサービス大手ofoの自転車。テンセントの投資を受けたMobikeに猛追されてきたが、ここにきて配車サービスの滴滴出行も参戦。ほかにも多額の投資を獲得する競合がいて、まだ誰が勝者になるか見通せない(北京大学)

 

米除くとユニコーンの52%が中国企業

 昨年12月、中国の配車サービス大手、滴滴出行(ディディ・チューシン)が40億ドル(4500億円)を調達し、企業価値が500億ドル(5兆4000億円)超になったことがニュースになった。10月にやはり40億ドルを調達した美団点評は、企業価値が300億ドル(3兆3000億円)とされた。中国のユニコーンは55社あり、米国を除くとユニコーンの52%が中国にあると、CBIは昨年9月に発表している。

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