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【矢板明夫の中国点描】習近平政権での粛清を予言した共産党古参幹部の死、その予言は的中し…


何方氏(本人の微博より)


 


 中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院の日本研究所初代所長の何方氏が3日、北京市内で死去した。94歳と高齢だったが、改革派知識人たちに大きな衝撃を与えた。筆者にとっては前回の共産党大会が終了した2012年11月、中国人の記者や人権派弁護士ら約10人と一緒に何氏を囲んだ食事会での会話が忘れられない。


 そのとき、何氏は新総書記、習近平氏の就任演説について「これから粛清が始まる。体制を批判する人の多くは捕まるだろう。君たちも気を付けた方がよい」と語った。「事態はそんなに深刻なのか」と聞かれると、何氏はこう答えた。


 「死語となっている毛沢東時代の『為人民服務』(人民に奉仕する)などが繰り返されているところが異様だ」「これが政治運動を始めるサインだ。人を捕まえなければ政治運動にならない。私は共産党と70年以上も付き合っているから、よく分かる」


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