水産資源の豊富な高知県室戸。この街に魅せられた青年は、海洋深層水を使い、青のりやアワビ、トコブシを育てるという循環型のビジネスを立ち上げた。地域の「お母ちゃん」と共に室戸の価値を発信している。

 きっかけは高知大学の構内で見かけた1枚の張り紙。学生向けのビジネスプランコンテスト『キャンパスベンチャーグランプリ』の募集だった。 高知県の東南端、室戸岬の海に魅せられて単身移住し、地域起こしに取り組んでいる若者がいる。蜂谷潤さん、29歳。岡山県出身で、高知大学農学部の栽培漁業学科で海藻類の養殖技術を学んだ。フィールドワークで室戸に通ううち、ひょんなことから地域のひとたちを巻き込んだ起業に乗り出すことになった。

蜂谷潤さん

 

 室戸では深海から湧き上がる海洋深層水をくみ上げ、地域の目玉にしてきた。その海洋深層水を使った青のり栽培を高知大学が技術指導していた。蜂谷さんは指導教授に相談、これをビジネス化するプランを作って応募した。

>>続きを読む