昨年、埼玉県北本市の公立中学校が給食費を3カ月以上滞納する家庭の生徒に対し給食の提供を中止すると報じられた。これに対し、世間の反応は「保護者のモラルが欠如している」といった批判が相次いだ。果たしてこの裏側にはどのような問題が隠れているのか。

 『給食費未納 子どもの貧困と食生活格差』(光文社新書)を上梓し、子どもや女性の貧困等の調査研究を行っている鳫(がん)咲子・跡見学園女子大学マネジメント学部准教授に給食費未納と、その対応方策について話を聞いた。

――今年、三重県鈴鹿市の教育委員会が野菜の高騰により給食を2日間中止するとの方針を示し、その後撤回すると報じられました。また大阪市では給食費の滞納分を弁護士が回収し、回収額に応じた出来高制で報酬を支払う制度が11月から実施されるなど給食費未納が問題化しています。子どもと女性の貧困を研究している立場として、これらのニュースを聞いた時、どんな印象を受けましたか?