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世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
危険水域に入った世界経済
2016/11/11
岡崎研究所
サマーズ元米財務長官が、10月9日付ワシントン・ポスト紙掲載の論説で、世界の政治・経済双方が制御不可能の状況に陥っていることへの不安を指摘、その根底にあるグローバルな経済停滞から回復するための提言をしています。要旨、次の通りです。
コンロールを失った指導者たち
10月7~8日の世銀・IMF年次総会は、経済停滞の長期化とポピュリズム政治の世界的蔓延を受け、指導者たちは事態のコントロールを失い、世界経済は海図のない危険な領域に入って来たのではないかという不安感に彩られていた。
不況が迫っているほどではないにしても、世界の主要地域の経済成長がほとんど止まっている中、中央銀行には利下げで景気刺激を行う余地がない。普通、利下げのためには5%程の余裕が金利にないといけないのだが、ゼロ金利状況の今、そのような状況はあと何年たっても訪れまい。