(英フィナンシャル・タイムズ紙2016年5月30日付)

「パナマ文書」が暴いた租税回避のクモの巣、中心は英ロンドン

英ロンドンのテムズ川越しに見る金融街シティーの風景(2014年11月14日撮影、資料写真)。(c)AFP/ANDREW COWIE〔AFPBB News

先日、私は投資銀行家のグループを相手に講演を行った。その際、ビジネス関係の聴衆の前に立ったときに必ずやることをした。聴衆をざっと見渡し、女性1人につき男性が何人いるか数えようとするのだ。

聴衆がシティー(ロンドン金融街)の若い弁護士だと、通常、数字はざっと同じになる。一方、シニアバンカーや金融アドバイザーが相手だと、1対20くらいひどい割合になることもある。

この日の午後は、男女の割合は普段より多少まし――女性1人に対して男性4人程度――だったが、会場を見渡してみて、ふと、自分が間違ったものを数えていたことに気づいた。一番小さな少数派は、女性ではなかった。講演を行ったのは国際会議の場だったことから、民族少数派でさえなかった。実際、一番の少数派は50代以上の人たちだった。

>>続きを読む