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日本も人ごとでは、いられない。中国や朝鮮半島で変事が勃発し、大量の難民が海を渡って押し寄せてくる可能性は、ゼロではないのだ。

2015.9.8 05:04更新

【産経抄】
難民はドイツをめざす 9月8日

 米国は移民の国である。1820年に最初の移民統計が取られて以来、受け入れた移民の数は、6000万人を超えるという(『異文化社会アメリカ』示村(しめむら)陽一著)。

 ▼欧州から海を渡ってきた移民は、まずニューヨーク湾の入り口に立つ「自由の女神像」に迎えられた。その台座には、ユダヤ系女性詩人による有名な詩が刻まれている。「わたしに与えてください、疲れ果てた人たちを、貧しい人たちを…」。

 ▼中東やアフリカから、内戦などで「疲れ果てた」難民や移民が今、欧州に殺到している。なかでも「希望の地」として、人気があるのはドイツだという。今年1年の難民申請者は、昨年の4倍の約80万人が見込まれ、受け入れ費用は1兆円を超えるとの報道もあった。それでも、第二次世界大戦直後に大量の難民発生を経験しているだけに、好意的な意見が大半だという。さらに好景気を謳歌(おうか)するドイツでは、人手不足が続いており、労働力の確保につながるとの、もくろみもあるようだ。

 ▼もっとも、その他の欧州諸国は、受け入れに消極的である。ドイツでも、このまま難民の流入が止まらず、国民の負担が大きくなれば、反発の声も強まってくるだろう。すでに難民の収容施設を狙った放火事件が頻発している。

 ▼米国だって移民に対して、常に寛容であったわけではない。「メキシコからの不法移民は強姦(ごうかん)魔だ」。米大統領選で共和党の候補者指名を争っているドナルド・トランプ氏の暴言が止まらない。にもかかわらず、レースから脱落しない事実が、移民問題の難しさを物語っている。

 ▼日本も人ごとでは、いられない。中国や朝鮮半島で変事が勃発し、大量の難民が海を渡って押し寄せてくる可能性は、ゼロではないのだ。


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